こんにちは。
グローバル留学センターの橋本です。

本日はバンクーバーのホームステイの実情について書きたいと思います。
私自身かれこれホームステイ手配を約10年ほど担当してきたので、バンクーバーのホームステイについては、ある程度熟知していると思います。私の経験を通してバンクーバーのホームステイがどのようなものかをお伝えしたいと思います。

まず、これから留学される方はホームステイに下記の様なイメージを抱いていないでしょうか?
・家族は白人カナディアンのネイティブスピーカー
・食事は家族全員揃って食べる
・大きな家で子供がいて、犬を飼っている
・週末は家族とお出かけ
・毎日英語で会話をして英語力が伸びる
・異文化交流の為に留学生を受け入れている
・ウルルン滞在期の様な出会いとお別れ

ドラマに出て来そうな典型的な北米のホストファミリーとの生活を想像される方も多いと思いますが、
上記の様なホームステイ宅に当たる可能性は0%では無いですが、確率的には非常に低いと言えます。
当たれば非常にラッキーと思って頂くと良いでしょう。
これらのイメージは日本の大手留学会社が昔につけたホームステイに対するイメージだったり、他国や別の都市での話であったりして、バンクーバーやトロントでは全く違う場合が多いです。

ホームステイはビジネスで学生を受け入れている

バンクーバーやトロントのホームステイ家族は、異文化交流の為に学生を受け入れているわけではなく、家のローンや生活費を補う為の副業としている家庭がほとんどです。
バンクーバーは非常に物価が高い都市で、30年もの間物価がほとんど変わらない日本とは異なり毎年物価が上昇しています。
お店でラーメン1杯食べれば$20ぐらいしますし、ちょっと飲みに行けば直ぐに$50は超えます。
中でも不動産の値段は異常で日本とは桁違いに高いのです。
1億円の家と聞くと、日本では芸能人や会社の社長さんぐらいしか住んでいないでしょうけど、カナダでは一般市民が住む家が、1億円を超えています。小さくて築数十年以上の家でも1億円はします。築30年以上の古い1ベッドルームで洗濯機共有のアパートですら3-4000万円ぐらいはするのです。古い1ベッドルームのアパートが、日本のサラリーマン達が買う新築の家ぐらいの値段がするのですよ!驚きですよね!?
私が暮らしているエリアの1ベッドルームのアパートはこの13年ほどで家賃が$800→$1800(新規入居の場合)と2倍以上になりました。驚

参考)https://wowa.ca/vancouver-housing-market
https://www.zealty.ca/map.html

この高額な家のローンや家賃を支払ったり、生活費を補う為に、ホームステイ家族は学生の受け入れをして副収入を得ているのです。カナダの家は日本の家よりも比較的大きく部屋数が多いので、留学生を複数名受け入れています。
家庭によっては、ベースメントを留学専用のフロアにして、小さな部屋をいくつか作り、3〜5名の留学生を同時に受け入れている家庭もあります。個室と食事が提供される下宿屋、学生寮みたいな感じです。
ホームステイ家族は日本の一般家庭と同様に共働きで毎日忙しいので、学生に構う時間が取れなかったりして、あまり家族と交流する時間がなかったり、食事は作って置いてくれてある物をレンジで温めて各自食べる、一緒に外出する事がない家庭も非常に多いです。ハウスルールを守って各自自由に過ごしてくださいね!みたいな感じです。
冷たいように聞こえますが、自分から積極的に話しかけたら会話をしてくれますし、困った事があれば何かと助けてくれます。なので自分から積極的に話かけて人間関係を築いて頂く事がホームステイ生活をより快適にしていくコツです。自分達に好感を持って積極的に接してくれる学生には家族も心を開いて受け入れてくれるでしょう。

ホストの人種はアジア系移民が90%以上

北米、カナダと聞くと白人の国というイメージが強いと思いますが、カナダは建国後約150年で長い歴史を持つ国ではなく、各国からの移民を多く受け入れることによって人口を増やし発展してきたまだまだ新しい国です。
「英語を母国語とする白色人種=カナダ人」ではなく、カナダには他にも世界各国にルーツを持つ、本当に様々な人種の方々がカナダ人として暮らしています。
特にここ何十年もアジアからの移民が多く、バンクーバーではアジア系の人種の割合が非常に高くなっています。
下記は2016年の統計となります。
リソース:https://vancouver.ca/files/cov/social-indicators-profile-city-of-vancouver.pdf

アジアにルーツを持つ人種の割合は下記のようになり、

上の表のバンクーバーの人種のグループを見ると白人系が多いように見えますが、アジア系の人種を全部足すとほぼ同じぐらいの割合になります。なお白人家庭は子供をあまり多くつくらないですが、中国、フィリピン、インド系の人種の方は子供をたくさん作る傾向にあるので人口の増加も早いです。人口動態で考えると10−20年後はさらにアジア系の人種の割合が高くなると予想されます。カナダ=白人の国と言うイメージはバンクーバーにおいては該当しません。むしろ今後はアジア人の方が多くなるのは間違いないと思います。ただ、ケロウナやビクトリア、その他田舎の都市に行けば人種の割合が異なります。
思い描くイメージのカナダに行かれたい場合は、地方都市に渡航される事をお勧めします。
中国系移民はお金持ちが多いですが、その他の昔に移民したアジア系移民は看護師など収入の高い仕事についている人も多いですが、あまり収入が高くない仕事にしか就けていない方のほうが多いです。これが移民として海外で暮らす人の現実です。
実際にカナダに移民している日本人の多くも、カナダでは収入が低い層に入っている方がほとんどだと思います。
その様な方が家のローンの返済や生活費を補う為に、ホームステイで副収入を得ている形となります。
バンクーバーにおいては全体の90割以上がアジア系のホームステイ家族(主にフィリピン系)、残りはイタリアなどのヨーロピアン系となります。カナダ生まれ、カナダ育ちの白人系家庭のホームステイは非常に非常に少ないです。
アジア系移民のホームステイ家族がカナダ人よりも悪いと言うことは無いので勘違いしないで頂きたいです。
私がお伝えしたいのは、カナダだから白人のカナダ人ホームステイ家族と言うことでは無いと言うことです。
アジア系移民の家族の方が、海外から来られる人の境遇も理解できますし、気が使えますし、食事が口に合う場合が多いです。価値観なども日本人に近いので接しやすいと思います。一緒に暮らす上では実は良い点が多いです。

ホームステイ家庭によっては英語にアクセントが有って会話が理解出来ないと言われる学生がいますが、カナダは移民で成り立つ国なので様々なアクセントの英語があって当然です。
The English Club が文部科学省、国連、U.S. Visa Talk および Crystal D.「A History of the English Language」の統計を基に出したデータによると、世界には英語を実用レベルで使用している人(英語人口)が15億人、そのうち、ネイティブ・スピーカーはたった1/4(25%)の3.8億人しかいない。残りの3/4(75%)の11.2億人は、第二言語/外国語として英語を習得した非ネイティブ・スピーカーだそうです。
なのでネイティブスピーカーよりも非ネイティブ・スピーカーの英語に触れる機会の方が多いので、様々なアクセントに慣れておくことが大事です。
ホームステイ家族の英語にアクセントが有って会話が理解出来ないと言われる学生がまず理解しないといけないのが、ホームステイ家族もあなたの英語のアクセントを同じように思っているけど口に出さずに理解しようとしてくれていると言う事です。
上記に書いたように、英語人口のほとんどが非ネイティブスピーカーなので様々な英語に慣れないといけません。
そして何より自分よりも英語が上手な訳ですから、先生と思い教えてもらうと言う姿勢で接する様にしていただくのが良いと思います。

ホームステイのメリット、デメリット

ホームステイの一番のメリットは値段の安さだと思います。
現在のバンクーバーのホームステイの滞在費のレンジは4週間$900〜1300程度(個室、3食込、Wi-Fi、電気、水道代も込)だと思います。 (更新:2024年度のホームステイの相場は$1300-1400/4週間
日本の現地留学エージェントでは$900台の会社もまだ有ります。(弊社の2022年料金は$1100です。弊社手配のホームステイサービスは終了しました。
日本の留学エージェントは物価の安い日本の相場に合わせて料金を設定していますが、正直この値段で留学生を受け入れてくれているなんてバンクーバーでは本当にすごい事だと思います。カナダの私立語学学校最大手のマネージャーの方と話をした時に、「いったい学生に何を食べさせているのだ?苦笑」と言っていたぐらいです。学校ではそれ以上の料金を払っても受け入れてくれるホストが不足して、学校が学生から受け取る滞在費に気持ちを足して払う場合もあるそうです。また、最近は3ゾーンまで範囲を広げて探しているそうです。
カナダ人の友人たちに聞くと、ほとんどの家庭がこの値段でホームステイを受け入れてくれないですし、特に白人家庭にはふざけるな!と言われるレベルだと思います。
$900台も出しているにきちんとした食事が出されないと言う声も稀に聞きますが、ホームステイ家族からしたらこれだけしか貰っていないのに、、、と言った感じで双方の感覚にズレが有ります。
弊社のホームステイ代金は2021年は$940でしたが、2022年には$1100と大幅に値上げをします。
(弊社のホームステイより学校のホームステイの方が安い場合は、そちらを選択して頂けます。)
値上げの理由は、私たち自身が$940 の値段ではホームステイの受けをやりたいと思わないのに、お金が必要なホームステイ家族の状況にTake Advantageして安い料金で受け入れてもらう事に心が痛むからです。安くても学生が入ってくれるならと受け入れてくれるホストもいますが、自分が出来ない事を相手にさせてたくないですし、自身がバンクーバーで生活をしていてどう考えても$1100以上が適正な価格だと思うからです。

バンクーバーで一人で生活して頂くと良く分かりますが、$900ですとぼろぼろの築50年ぐらいの1ベッドルーム($1300〜)すらかりる事が出来ないですし、シェアハウスですらダウンタウンの郊外で安くて$600〜、ダウンタウンであれば安い古いアパートで最低$800〜します。そこに食費やネット代金、電気代なども加わってきます。
(更新:2024年度のバンクーバーの1ベッドルームの家賃の平均は$2800(30万円)ほどとなります。コロナ以降急激に家賃が上がっています。)

バンクーバーのドミトリー(安宿)の6人、8人部屋でも一泊$35−45ぐらいします。しかも食事無しですよ。


ホームステイは個室、食事がついて一泊$35〜45ぐらいなので、いかに安い滞在方法か分かると思います。
到着したばかりで土地勘が無く何も分からない方が、いきなりシェアハウスを見つけて自炊を始めるのは結構大変だと思います。ホームステイ家族は現地で長く暮らしているので色々な情報を教えてくれますし、困ったら助けてくれます。
何よりエージェントや学校のスタッフが見学してインタビューをしてホストを選んでいるので、安全な家庭の場合がほとんです。なので最初は安くて安全な滞在方法のホームステイを利用して、現地生活に慣れてきて色々と分かって来てからシェハウスや自分でアパートを借りるなりされるのが良いと思います。

ホームステイのデメリットは、共同生活なので自由が利かなく、多々制限や不自由が出る点です。
ホームステイはホテルではないので、お互いを尊重してハウスルールを守って生活しないといけません。(この点はシェアハウスも同じです。)
食事の時間が決まっていたり、シャワーの回数や時間帯、洗濯の回数なども決められている場合も有ります。
ホームステイ宅の食事が口に合わない場合も有りますし、量が少なかったり、食事が偏る事も有ります。
人間同士なのでホストとの性格が合わなくてストレスが溜まる事もあると思います。

このように、ホームステイにはメリット、デメリットが有り、皆さんが思い描く北米のホームステイ滞在とは異なる部分は多いと思います。なので過度にホームステイに期待せず、安く滞在できるから現地の生活、学校に慣れて落ち着くまでの短期間の間に滞在しようと言った感じで利用されるのが良いと思います。なので最初から長期で申し込まないで、住んでみて思っていたよりもホームステイが居心地良ければ延長をされるのが良いと思います。(夏の時期はどこもホームステイ不足で延長出来ない可能性が有りますので注意。)

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